段々と、動悸が激しくなり

息苦しくなってきた。



「…ハっ…ハァ…ハァ……ッ」


わたしは、胸を押さえて俯せた。

ヤバい。


過呼吸だ。



「ちょ…桃佳チャン…!?」


「…だ…だいじょ……ゲホッ……ぶ……ハァ」


「大丈夫じゃないわ!!
はい!これに口当てて!」



一樹は、カバンからビニールの袋を取り出し、わたしの口に当てた。



「ゆっくり息をして…」

わたしは一樹が言ったとおりにした。


「ありがとう。少し楽になったわ」

「構わないわ。それより、どうしたの?急に…。
桃佳ちゃんって、病弱?」


一樹は心配そうに首を傾げた。


「違うの……わたし…」



大丈夫。

この子なら、信用しても


大丈夫。



「わたし…ね……昔、レイプされかけたの」