わたしは、ボロボロと涙を流しながら

狼くんの去っていったほうを見ていた。


「桃佳ちゃん!?
さっき……悲鳴が聞こえたけど…まさか、狼が何か……」


駆け付けてきた一樹は、ボロボロになったわたしを見て

ハッと口をつぐんだ。



「い、一樹ちゃ……わたし、わたし……っ…」



わたしは一樹に抱きつき、大声で泣いた。