狼くんはニコリと笑い、わたしの頭を撫でた。


「っきゃ!!?」


ビックリしたわたしは、思わず後退りをした。


「あ…ごめん…つい」



脈がどんどん早くなっていた。



怖い…なのに


顔が熱い。




わたしは逃げるように教室を後にした。



帰宅後――


「……わたし…どーしたんだろ」


正直、狼くんはあまり怖くなかった。


けど

何か、そばにいづらかった。


「桃ちゃん…どしたの?」

「柚ちゃん……わたし」



どうしてかわかんないけど

恐怖症を

治したいって思った。


ほんとに、わたしどうしちゃったんだろ?





わたしはおもむろに携帯を手に取り、震える手である人に電話を掛けた。