話し終えたとき、わたしは、泣いていた。


「桃佳ちゃん…」

「何度も…克服しようとしたの!
…もう、こんな自分が……嫌で、嫌で…堪らなくて」


わたしは、テーブルに突っ伏して泣いた。


「…怖かったわよね。
…つらいこと思い出させて…ごめんね?」




その後、一仕切り泣いたわたしは、一樹と他愛もない話しで笑いあい

家路に着いた。


「お帰り桃ちゃん。どうだった?初授業は」


高校教師をしている、姉の柚佳(ユズカ)が聞いてきた。

「ん、まぁまぁ」

「そう」

「ねぇ、柚ちゃん」

「何?」

「…何でもない…。呼んでみただけ」


わたしはにこっと笑い、風呂場にむかった。



翌日、教室に入ると、あの狼くんがいた。


「オハヨウ、センセ」

「お、おはよ。早いんだね」

「センセに会いたかったからね」


わたしは、びっくりして、思わず顔を反らしてしまった。


「これ、友達?」

低い声に振り向くと、わたしの携帯を手にした、狼くんがいた。