「沖田先生!!」



校舎に飛び込むと、いつも笑顔で出迎えてくれる先生はいなかった。

成績優秀者ランキングを貼っていたのは、沖田先生ではなく、知らない女の先生だった。


こういうことは、珍しくない。

でも、何だか嫌な胸騒ぎがした。



「あの…… 沖田先生、まだですか?」



そう尋ねると、その女の先生は、哀れにも似た瞳で私を見つめた。

長い茶色の髪をセンター分けしている、綺麗な先生だった。



「あなた…… 美央さん?」



その女の先生は、ランキング表を貼るのをやめて、私に近寄った。



「そうですけど……」



痛いほど、心が彼女を拒否しているのが分かる。

まるで、この先のことを悟ったかのように。