「じゃあ、今度の学校の定期テスト、数学100点取るよ!」



先生のためなら、何だって出来る。

大嫌いな数学も、100点だって、200点だって、取っちゃうよ。


恋のパワーはすごい。



「おし!そしたら俺、ジュース奢ってやるよ! 美央の好きなミルクティーな!」



私の好きなものまで、しっかりと覚えてくれている先生は、私を喜ばせる達人だね。


先生からもらったミルクティーは、きっと一生飲めない。

もし全部飲んじゃったとしても、そのペットボトルは永久保存しておこう。




これが、先生と交わした初めての約束だった。



きっと、先生も知らなかったんだ。


この約束が、最初で最後の約束になるなんて……