「先生が女の子に囲まれて楽しそうだったから、ちょっと妬いちゃっただけ。 先生、私に全然気付いてくれないんだもん……」



私がふてくされたようにそう言うと、先生は安心したように笑った。



「バカだなぁ、美央は! 俺が気付かないとでも思った? お前が入ってきた時から、ちゃんと気付いてたよ。 今日俺の誕生日だからさ、いろいろくれたんだよ。」



最高に感動する言葉をもらいつつも、ショックを隠しきれない私。



え?


ちょっと待って。




「先生…… 今日、誕生日なの?」




先生は、さっきまでスーツのポケットに入れていた手を、首の後ろに回して答えた。



「ん? ああ、そうだよ! つーか、肝心の俺がすっかり忘れてたけどな!」



先生はそう言って、ハハハと笑った。