先生は、生徒のどんな変化も見逃さない。



私、知ってるよ。


先生が『元気か?』『どうした?』って、

元気のない生徒たちに、いつも声をかけていること。


私も声をかけて欲しいあまりに、元気のないフリをしたこともあった。

それでも、ちゃんと先生は声をかけてくれたね。

本当に心配そうな顔で、『みお~、どうしたぁ?』って。



先生、知ってる?


それで、どれほどみんなの心が救われているか。

先生の言葉が、どんなに温かいか。


先生に声をかけられた生徒は、みんな笑顔になる。

みんな、ちゃんと先生の優しい気持ちを受け取っているよ。




時計の針は、15時を回っていた。


そして、私は気付く。

先生が、授業が終わってから、すぐに私の元へ来てくれたことに。