どのくらい時間が経っただろう。
何もやる気が起きず、私は机にうつ伏せたままだった。
先生……
私がここに来ていること、知ってるかな。
目も合わなかった、私と先生。
知るわけ、ないよね。
先生に会うために、ここに来ていると言ってもいい。
先生に会えなければ、来た意味なんてない。
……もう帰ろう。
そう思い、顔を上げたとき。
足音がした。
すごい勢いで階段を上って、こちらへやってくる。
どんどん近づく足音。
私は、また顔を伏せた。
頭が。
心が。
体が。
勝手に期待している。
先生だと。
扉が開き、電気がつけられたことが、腕の隙間から漏れる光で分かる。
「美央、どした!?泣いてんのか!?」
そして、私の予感は的中する。

