自習室には、やっぱり誰もいなかった。 私は電気もつけずに、適当な席に腰を下ろした。 出るのは、ため息ばかり。 「沖田……せんせ………」 机にうつ伏せ、先生の名前ばかり呼んだ。 胸が苦しいよ。 初めてだよ、こんなの。 ちっぽけなことで喜んだり、悲しんだり。 恋って、忙しい。 初めから一方通行の恋。 誰にも言えない恋。 ……ばかみたい。 私、何を期待してた?