ジャージャー。
ざわざわ、がやがや。

ああ、もう。
やんなっちゃう。

給食の後の水道はいつもうるさい。
お盆を洗う女の子たちのおしゃべりの中に、
私の名前が出てくることはない。
もっとも、この子たちに「詩織〜」なんて呼ばれても、
嬉しくなんかないけど。

ああ、早くどいてくんないかな〜

私の心の声をバカにするように
女の子たちのおしゃべりは盛り上がっていく。

はあ。

いっつもこう。
どうしてこんなんなんだろ。。


私は、水道から水が出る音が嫌い。
だいっきらい。
なんでかな。
ずっと前から嫌いだった。
水道場自体が嫌いなのかもしれない。

うるさい女子に混じってお盆を洗うのも。

鏡が目に入ってくるのも。

そこに映る不機嫌そうな私も。

全部が嫌い。

給食なんかなければ、こんなとこ来ないのに。

明日も、明後日も、それからもずっと、
こんなふうにここにいるのだろうか。