優斗side


昨日、あいつ、神城 麗羅を脅して変装を
取らせたら、すごく綺麗だった。
その姿が、今でも脳裏に、かすむことなく
しっかりと焼き付いている。
綺麗な茶色のロングストレートの髪
黒と茶色が混じった澄んでいる目
モデル顔負けのスタイルと顔立ち。
全てが揃っていると言っても良いくらいだ
そんな姿に、惚れないやつなんかいない。
俺は照れて真っ赤になった顔を下に向けた
すると、天然で鈍感な神城 麗羅が、
顔を覗いてきた。
俺は、身長183㎝ 神城は、身長165㎝
だから、絶対上目遣いになるわけで、
恥ずかしいのか、赤く染めた頬
血色の良い潤ったピンクの唇。
誘ってるとしか思えないが、
神城は、天然で鈍感なお姫様だから、
計算ではない。そこが余計に可愛い。
理性を保つのが、やっとだった

だから、こんなバカ騒ぎしている
女子達に見向きもしないのだが・・・
「「「「キャーーーーー‼」」」」
「優斗様ーーーーー‼」
「こっち向いてーーー‼‼」
「カッコいいーーー‼‼」
こんなことを言っている。
相変わらず懲りないやつらだ。

翔「おはよっ!優斗!」
こいつは、俺の幼なじみの柏木 翔琉だ。
世界No.3の柏木財閥の息子だ。
俺から見たらこいつは、イケメンだ。
地毛の黒髪を激しく遊ばせていて、
制服をカッコよく着崩している。
優「おはよ。」
そしていつもテンションが高い。
翔「おいおい、元気ないなぁ!」
優「お前は、いつも元気だな。」
翔「俺は、元気が一番似合うんだよ‼」
優「元気しか取り柄がないからだろ。」
翔「何だょ「耳元でうるさい。」
お前仮にも親友「ハイハイごめんね」
そんな簡単に受け流すなよ~ 」
優「分かったから、うるさい。」
翔「ハイハイ分かったよ~だ!」
うるさい翔琉をほっといて、
俺は教室に入った。
ガラガラガラッ
ドアを開けて机に座ると、
中辻 杏南が、猫なで声で話しかけて来た。
杏「ねぇねぇゆぅとくぅんきょぅの
ほぅかごはなせるぅ?」
まだ、ア○レちゃんの方がマシ。
この声気持ち悪い。鳥肌たちそう。
優「大丈夫だけど何?早く帰りたいから
手短にしてね。」
この猫なで声が気持ち悪いので、
俺はあえて、冷たく接してみた。が、
中辻は、諦めることなく、
杏「やったぁ♪じゃぁあーー、
きょぅしつで待っててねぇ♪」
中辻は、上目遣いと谷間で落とそうと
してきたが、俺にはそんなのは無意味だ。
ちゃんと好きな奴がいるんだから。




そして放課後、教室で待ってると、
杏「遅くなってぇ、ごめんねぇ!
待たせちゃったぁ~。
絶対嫌われるよねぇ?」
それを俺に聞いてどうする?
こいつバカなのか?
優「別に嫌わないけど。」
杏「良かったぁ~。
嫌われたかと思っちゃったぁ~!
やっぱりぃ、やさしぃんだねぇ~!」
前言撤回、やっぱこいつバカじゃなくて
大バカだな。
優「それで?用件は?」
杏「あのねぇ、わたしぃ、優斗君の
ことがぁ、好きみたいなのぉ」
「みたい」ってなんだよ「みたい」って
自分の気持ちだろうが。
優「俺、お前のこと好きじゃないし
それに、別に好きな子がいる。」
杏「そっかぁ。わかったぁ」
どうやらわかってくれたようだ。
その後、中辻は帰っていったので、
俺も帰っていった。
この後、神城がこの話を
聞いていた事を気付かなかった俺は、
ひどく後悔する。