そう諦めたとき。



空気が揺らいだ。


瞬間、目の前のくま型mobが火だるまになり悶える。



あ…



『あっっっつ!!!!』

炎の熱さで目が覚め、一気にくまから遠ざかる。


なに!?私の未知なる力解放しちゃった!?



『おい、そこの女』

後ろから男の人の声。


どうやら未知なる力はなかったみたい


きっとこの人が私を助けてくれたんだろう。
こういう時は…


『あぁっ、貴方様は、私の勇者さm』


男から冷ややかな視線が。


おっと。間違えた間違えた。

『ごめんなさい助けていただきありがとうございました感謝感激ぶたあられ』

『誰がぶただコラ』

失敗した。


『さっさと立て。またアレに襲われたいのか?』

アレ、といいながら指さすのはさっき丸焦げにされてたくま。


立たなかったらアレにされる。

勝手に翻訳してロボットみたいにシャキッと立つ。


『あ、あの、本当にありがとうございまし』


『なんであんなやつに腰抜かすんだよ。その立派な装備はオモチャか?あ?』

怖い。


『あ、う…ごめんなさい…』

うつむいて謝ることしかできない。この人怖い。

すると男の人はバツが悪そうにして、

『お前はどこの集落の出だ?とはいってもこの近くにはでかい集落はねぇ。お前みたいな髪色のやつも見たことねぇ。お前、どこから来た?』


集落?

『えっ…と…』

ふ、と男の人の姿をきちんとみる。
太陽の光が反射してきらきらひかる金髪

炎のように赤い瞳

背は高くて、180はありそう。

顔が整っていて、世間一般的にいう

これは

『…イケメン。』
『質問に答えろや』
『すいません』

また失敗した。