「凪、あんたとか眼中にないしぃ」


「つか女として見てなくない?」


「言えてる~」



あたしすごい言われよう。

もう慣れたけど。


つか、群れないと、人イジメられないのか?!


一人で来い!

一人で!!



あたしは、心の中でそう突っ込みながらじっと彼女らを見た。


総勢10人。

バカみたい。


「なんだよ。つかうざい、凪に近づくな!」


西野は強く言い放った。


「う…ごめんなさい」

あたしはあくまで気弱そうに言った。


もちろん本心なわけがない。


だけど、あたしは『いじめられっこ』を演じなければならない。


…あたしの命に関わることだから、イジメぐらいでへばっていられない。


あたしは演じるんだ。


あたしのために。

みんなのために。