住宅街の角を曲がり、学校へ行くあたしたち。


遅刻確定だから、急がない。


「凪ぃ~…」


あたしは口を開いた。


「?」


「今日サボんない?」


「なんで?蜜羽がそんなこと言うなんて珍しいじゃん。雪でも降るんじゃねぇ?」


「失礼だなぁ!」



ぶぅーっとほっぺを膨らませて反論する。


「だって、なんか体ダルいしっそれに…」


「それに?」



『凪と一緒にいたいから』なんて口が裂けても言えない!


うわ~あたし絶対顔赤い!
バレちゃうよ~!


「…いーよ?きっと俺も蜜羽と同じ気持ち」


「へ?」


同じ…気持ち?



ダルいってこと?

まさか一緒にいたいなんて思ってないよね。



なんかあたしどうしちゃったんだろう…


最近おかしいよ…



「さ。家帰ろう?…でも蜜羽のわがまま聞いてあげたんだから、今日は俺の言いなりね?」



そんなことにときめいてしまうあたし、片瀬 蜜羽。


幼なじみでSな王子の言いなりだそうです。



でもまぁいいや。




凪と1分でも一緒に居れるなら。