-菜々side-

-ガチャ)ん〜空気がうまい。今日は雲一つないな。

バン)「ハアハア菜々じゃなくてなのは!」『ん?つー兄なに?』

「ここ龍神の溜まり場だ」『まだ来ないでしょ~』と言い近くにある貯水タンクに登る菜々。

遠くを見つめる菜々をみた翼は、「菜々。無理してるのバレバレだぞ」と菜々に伝える。

『…つー兄には適わないよ』と翼をみる。「あの日からお前今まで…」翼は驚く。菜々の左目は赤く翼を見つめていた。

「なんだその目の色…」『左目は赤くなって視力もほんの少ししかない』カラコンをまた付ける。

『つー兄私は、もう闇から逃れられない。だからもう私を妹だと思わないで…』翼は黙ってしまう。菜々はまた遠くを見つめた。すると「菜々歌歌ってよ」『えいきなり?』

「母さんがよく俺らに謳ってくれた歌。」

『なんでこのタイミ…
-ガチャ)

「あれえ!翼さんだ!!」「真羽か」と翼。この人龍神の一人…か。

「あれ誰かいる?」貯水タンクから降りる。「君転校生?」『はい、市川なのはです。』「僕佐藤真羽!」

「真羽行くの早ッ!」「ねえ愁、転校生だって」

『どうも。市川なのはです。』「転校生か、早川愁です」

「……。」「要!」と真羽。「…相沢要」「米山陸」「一宮奏汰です」………奏兄。

「ねえなっちゃん!」…え。なっちゃん?「僕らのこと知ってる?」「おい!真羽」と要。『知ってますよ龍神ですよね。』

「知ってたか〜」『さっきつー…翼先生が教えてくれて知りました。』「え?じゃあそれまで知らなかったの?」『まあ、興味が全くないんで。…でなに?』と視線が来る方向を見る。

「俺の知り合いに似てる」『私君のこと知りませんよ』と屋上のドアへ向かう、その時「何抱えてる」一言飛ぶ。

言った方を見ると綺麗な目をした男がこちらを観ている。

確か陸って言ってたな…『何が言いたいのよ』なにこいつ。

「なんか抱えてる事あんだろ」やめてよ。『別になんもないけど』あたしに構うな。「俺らに媚びうらねーし族の名前聞いても顔色ひとつ変えない…」

この人、陸の目は私は苦手だ真っ直ぐでなんでも捉えて見据えてしまうようなこの目。手に力が入る。

「…それにお前の目は…「はいそこまで!!!」と翼が間に入る。菜々は崩れ落ちるかのように倒れかけ翼が抱き抱える。

『ごめ…つーに…』と目を閉じる。

「わりいなお前ら……陸お前に頼みがあんだけど」と翼。

「こいつを救ってやってくれ」「兄貴?」と奏汰

「そのつもりですよ」と端っこに寝そべる。翼はそのまま菜々を抱えて屋上を出た。