特訓は4日後の戦いにむけてみんな必死に特訓した。

そして前日。

『みんなこの日までよく頑張った。明日で全ての決着が付く…これだけは伝えとく。無理だけは絶対にしないこと』と菜々。

「今までやって来た特訓の成果を明日発揮するんだ。自分を信じて明日の戦いを勝ち抜けるぞ」と陸。

その夜みんな宴会さわぎ。

菜々は外に出て空を見上げる。

『お父さんお母さん…蓮。明日は命日だね。明日全ての決着が終わる。見ててね、絶対勝つから』と手を空に向けグーの手をする。

蓮と過ごした日々を思い出す。『蓮…蓮…』と涙を流す。するとカツッおとがする。振り向くと『…陸。』

涙を拭う菜々。『どうしたの?』「お前こそなに泣いてんだよ」と近づいてくる。

「蓮の事…思ってたのか」『え…』「お前は蓮の事まだ好きなのか?」陸は悲しい目をする。

『蓮は私にとって光だった。愛してたほんとに本気で…だからこそ失いたく無かった…』涙がこぼれる。

『なのにあの日私を庇って…私はッ私は蓮をッ…』「もういい。何も言うな」抱きしめる。

『ごめんッね陸。私はあなたの…兄をッ』「もうあやまるな」強く抱きしめる陸。

「俺は兄貴を尊敬してた。憧れだった。あの日から兄貴から連絡も何も来なくなった」陸は菜々を抱きしめて話す。

「俺は兄貴が死んだなんて思ってもみなかったただ忙しくて連絡が出来ないだけなんだろうって…でも風の噂で夜月の副総長の席が空いたって聞いた」菜々は陸の服をギュッと握る。

「そして夜月総長も誰も見なくなったと…俺は探した夜月総長…輝龍を…何があったのか聞くために。でも探しても見つからなかった」

菜々は黙ってその話を聞くことしか出来なかった。

「でもある日お前が転校してきた。俺は少し思ったんだよ。名前違うけど兄貴が好きだった女に似てるって…でも菜々お前の目は何も移していなかった…奏汰と翼さんが屋上で話してる時"菜々"って言葉を聞いてその時思ったんだ。こいつやっぱり兄貴の…って」

『それで…声かけたの?』と聞く。「それも少しあるけど…救いたいって思ったんだ。こいつを闇から救って兄貴から聞いてた菜々に戻したいって」と陸は菜々の顔を見る。

『ッ…陸ッ』「だから菜々。自分を責めるな。菜々俺はお前を助けるそばに居てやる。」『ばかッありがとう…』菜々は涙を流す。あぁ私は少しづつ陸に惚れてるかもしれない。

この人を失いたくないとおもってしまう。

「菜々俺はお前が好きだ。蓮の事好きでもいい。それでも俺はお前が好きなんだ」『陸ッ…』「返事はこの戦いが終ったらでいい」と微笑む。

月の光が私たちを照らす。陸の目には少し涙が溜まっていた。蓮の事を思い出していたのだろう。

菜々は誓った。"もう2度と誰も失わせない"と。