-要side

ったくムシャクシャする。タバコに火をつける。

「フウー」と息を吐きもう1度タバコを口に入れようとしたが『何タバコ吸ってんの未成年』と取り上げられる。

「おい何だ……てめえ」『未成年がタバコ吸うなっつーの。そんなに警戒しなくてもいいじゃんか』と少し間を開けて要の隣に座る菜々。

『ねえ…なんでそんなに女を嫌うの?』「お前にいう必要ねーだろ」『まあ…言いたくないならいいけどさ……あ、ひとつだけ言うなら、私はあんたが嫌ってる女とは違うからッ』と言ってその場に立つ。

「は?どういう意味だよ」『私もね実は男が大っ嫌いなのよ』と要の方を振り向く。『昔男に襲われたことあるから…………』と眉をひそめて笑い手に力を込める。要は驚きと共に悲しい顔をする。

「………俺は昔、母さんに"あんたはこの世に要らない存在。ただの道具だ"そう言われた」菜々は黙ったまま要を見つめる。

そう俺はまだ小学生だったあの日から悲劇の始まりだった。何度も家に帰れば母さんは酒に溺れて男に溺れて。父さんが死んだ日から、俺を犯し、ほかの女にも犯された。

俺はただの女の道具だ。ここに居たら俺はきっと道具のまま死んでいく。そう思って家を出た。そして龍神に出会った。

要は過去を話菜々を見ると「お前…なんで…」菜々黙ったまま静かに涙を流していた。

ギュッと要を抱きしめる。『ごめッ…嫌だよね抱きしめられてでも…こうしたくなったの…ッ』と要にすがり付く。

『要。私は貴方を道具なんて思ってない。私の大事な友達で仲間よ。受け止めて上げるから吐き出してあなたは私なんかよりずっと耐えてきたのね』そう言うと要はギュッと菜々を抱きしめる。

「菜々ッ……あり…がとッ…」と涙を流す要。

俺と菜々は何十分何時間か涙を流し続けた。