-ガチャ)結局屋上来ちゃったよ。『何してんかな私』空を見つめて手を伸ばす。

雲一つない綺麗な空は私には真っ黒にしか見えないよ。ねえ蓮……。

スーと息を吸い『貴方の元へ〜この歌が〜』と歌う。

バンッ)「ハアハア…この歌…」翼と奏汰は屋上に着く。『いつだってあなたを想う〜』

「兄貴…この歌母さんがよく歌ってた…」"兄貴"?翼を見ると涙を流していた。驚く奏汰。歌が終わったのか静かになる。

「…さっきは…悪かっ『ねえ、菜々に会いたい?』「…そりゃ会いたいよ。なにも言わずに俺らの前からあいつは消えたんだ」と奏汰。『会ったらまず何する?』「わかんねーよなんでお前がそんなこと聞くんだ……よ……」奏汰は目を見開く。

なのははウィッグを取る。奏汰と同じミルクティー色の髪色が現れる。右目のカラコンだけ取り振り向く。

「な…菜…々!!!!!!」『久しぶり。奏兄』ギュッ力強く抱きしめる奏汰。

「おまっ、どこにいたんだ探してたんだぞ!」『変わらないね奏』「左目のカラコンはとんねーのか?」

菜々は眉をひそめつつ、カラコンをとる。

「どうしッ…その目…」『いいリアクションだね』「兄貴ッ!!!!!!」翼は何も答えない。

『これはあの日出来たの。もう視力もほとんどない』と苦笑いする。

「菜々…さっきの言葉撤回しろ」『さっきの?』「お前は逃げてねークズでもねーよ」『奏は優しいからそういうこと言うんだよ』「何言ってんだよお前」と奏汰は菜々を見る。

『私さえいなきゃ誰も…誰も死なずにすんだ!』「菜々…」と翼。『誰も傷つかなかった…』強い風が吹く、奏汰は唇をかみ手に力を込める。

「ッ菜々龍神に来い。」『行かない』そんな所へ行ったらまた私は誰かを傷つけてしまう。戻れなくなってしまう。

ウィッグとカラコンを付けて『私は市川なのはもう話し掛けて来ないで』奏汰達を背にする。

「な「おい」ガシッ「「「え…?」」」

「陸?!」と驚く翼。『ちょっとはなして!』「うるせーな待っても来ねーから来てやってんだぞ暴れんな」…はあ?!そんなの知らんわ!なにこいつ俺様?自己中?!?

「奏汰早くしろ行くぞ!」「え、あ、おう」「コソ)奏汰菜々の事はしばらく内緒にして、なにかあったら助けてやってな」「言われなくとも分かってる」陸と奏汰、なのはは出ていく。

「頼んだぞ。龍神」