ーチュンチュン


小鳥の囀りとカーテンから差し込む強い朝日で眼が覚める。

体を起こし、ぐっと伸びをして窓の外を見ると、洗濯竿に2羽のスズメが並びこちらを見ていた。


「かわいい…」


ぼそっとつぶやき移った視線の先には春人の姿。

私の隣で静かに深く呼吸をしている。


ベッドの周りには散った下着。
春人と新婚生活も2年目を迎えるこの季節。

昨日の春人の『そろそろ子供が欲しい』という一言から私たちは体を重ねた。

そう、初めて、避妊せずに。


これから変わるであろう生活と自分自身の体調に不安に思わないと言えば嘘になる。けれど、春人との間に子を持てる幸せの方が何百倍も大きかった。

私は迷いなく春人に体を預けたんだ。




「んっ…藍…」


「ん?」


「…」


なーんだ、寝言か。

春人の頬をつんと突くが反応はない。
可愛らしい寝顔に自分の頬が緩んだ。

穏やかで幸せな時間だ。