春兄から連絡が来なくなって数日が経った。待っているだけじゃダメだと思い、意を決して電話をかける。しかし…ーーー
『お掛けになった電話は、現在電波の届かないところにあるか、電源が入っていないため、繋がりません』
「あれ〜おかしいな」
何度も掛け直すも繋がらない。諦めてスマホを放り、ベッドにゴロンと寝転がる。
「藍〜!お夕飯の準備手伝ってちょうだい!」
下からお母さんの声がする。仕方ない、手伝いしてもう一度かけてみよう。
部屋に戻りスマホを見ると、春兄から2件の不在着信が入っていた。なんとバットタイミング!急いで掛け直した。
『もしもし、藍?』
「春兄?よかった〜やっと繋がった!あのね、春兄に謝りたいことがあって。この前」
『あのさ』
珍しく食い気味に入ってきた。話に割って入ることなんて今までなかったのに。
「…うん?」
『明日…夜、時間ある?』
「え、明日?」
チラッと机に置いてある卓上カレンダーに目をやる。明日は日中は大学で、バイトは休みだ。
「うん、大丈夫だよ」
『そっか。良かったら一緒に夕飯どう?迎えに行くから、18時くらいに家出れるように準備しておいて』
「うん、わかった」
急な誘いだった。私の言葉を遮ってまで私を誘いたかった?付き合ってるんだから、そんなに食い気味にならなくてもよなったのに。



