10年愛してくれた君へ【続編】※おまけ更新中



春兄から連絡が来なくなって数日が経った。待っているだけじゃダメだと思い、意を決して電話をかける。しかし…ーーー



『お掛けになった電話は、現在電波の届かないところにあるか、電源が入っていないため、繋がりません』


「あれ〜おかしいな」


何度も掛け直すも繋がらない。諦めてスマホを放り、ベッドにゴロンと寝転がる。



「藍〜!お夕飯の準備手伝ってちょうだい!」


下からお母さんの声がする。仕方ない、手伝いしてもう一度かけてみよう。






部屋に戻りスマホを見ると、春兄から2件の不在着信が入っていた。なんとバットタイミング!急いで掛け直した。



『もしもし、藍?』


「春兄?よかった〜やっと繋がった!あのね、春兄に謝りたいことがあって。この前」


『あのさ』


珍しく食い気味に入ってきた。話に割って入ることなんて今までなかったのに。


「…うん?」


『明日…夜、時間ある?』


「え、明日?」


チラッと机に置いてある卓上カレンダーに目をやる。明日は日中は大学で、バイトは休みだ。


「うん、大丈夫だよ」


『そっか。良かったら一緒に夕飯どう?迎えに行くから、18時くらいに家出れるように準備しておいて』


「うん、わかった」



急な誘いだった。私の言葉を遮ってまで私を誘いたかった?付き合ってるんだから、そんなに食い気味にならなくてもよなったのに。