なんだか、前と印象が違うっていうか、優しそうな人だったのに、クールっていうか、無愛想っていうか、思ってたのと違う。

「っくしゅん、あ、やっぱ寒い、早く帰ろ」

寒いことを思い出して、今度こそ、歩き出したその時、

「え、なんで」

「送っていきます、家どこ?」

「…………………」

「きいてる?」

「え、あ、ハイ、いや、でも、私大丈夫なので、てか、1人で帰れます」

「こんな夜に、しかも、今日退院したばっかなんでしょ?事情を知ってる側としては1人で帰らせるわけにいかないよ、俺の職業、なんだと思ってんの」

辺りは暗く、郁美にはあまり恭太の顔がはっきり見えなかったが、少し怒ってるように聞こえた。

「でも、すぐ近くなので」

「だったら、いいじゃん、送らせてよ」

「でも、「文句ある?」

半ば強引な恭太だが、郁美には、心配してくれてると思って、恭太に甘えることにした