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一週間後

「郁美、退院おめでとう」

「翔子ありがとう、長くかかっちゃったし、翔子にはいっぱい心配かけてごめんね?」

「わかればよろしい!」

そんな会話をしながら、2人はお互いの家に帰っていった。

今日から郁美は引っ越し。両親が、早くに亡くなり、親戚に引き取られたが、高校生も終盤を迎えた今、一人暮らしがしたいと言ったのだ

「よし、完璧!!」

片付けも終わり、夕食の買い出しに財布を持って家を出た。まだ、冷えこむ3月は薄い上着だけでは郁美にとって、寒すぎた

「うっ、、さむっ、分厚いのきてくればよかった、めんどくさいからいいや」

アパートからそこまで離れていないスーパーは往復で10分ほどだ。

買い物を終え、外に出るともう真っ暗。
寒い寒いと言いながら店を出たその時、見覚えのある男性が横切った。

「刑事さん」

でも、プライベートだったら邪魔するのも悪いと思ったのか、声をかけるのはやめた。しかし、

「ハックシュん」

豪快にくしゃみをしてしまい、やばっと思った時にはもう遅く、恭太は郁美の存在に気づいた

「あ、確か…」

「あ、どうも、よく合いますね」

「その後体調の方は」

「あ、今日、退院したんです。大事をとって、入院させられて」

「そうでしたか、では、お大事に」

「あ、はい」