ジャーーー(水の音)

「ん、だれ」

「あ、起きた?」

「え、貝塚さん?」

郁美は、目の前にいる人物に驚きベッドから起き上がろうとした。

「あ、まだねてないと、熱下がってねーんだから」

「大丈夫です」

「ったく、無理をするにもほどがある」

「すいません、会うたびに迷惑かけて」

「君、ご両親いないんだよね?」

「え?」

「あ、いや、昨日、親戚のとこにいたって言ってたから」

「あ、はい。母はもともと、体が弱くて私が10歳の時に亡くなりました。父は、私が4歳の時に、事故だって言われてたんですけど、気になって調べてみようと思ったんです。そしたら、親戚の家に新聞の切れ端が置いてあって、みると父の名前が載ってて………
殺されたんです」