守ってくれる大きな手

「うん、心当たりある?男の人だったんだけど、郁美、お兄さんとかいなかったよね?」

「うん、私一人っ子だったから、親戚の誰かかな」

郁美は前に学校に来ていた北村美智子に電話をしようとしていた。

「でも待って、そんな年配の人じゃなかったよ。結構若めで、んー、貝塚さんとそこまで変わんなかった気がする、」

「あ、そっか」

親戚の中にそんな若い人がいないことを思い出した郁美は電話をするのをやめた。