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丁度いい夕暮れ時。
バタバタ…
ガタガタ……
なんだか外が騒がしいな。
私の打撲から約3週間。
あと一週間弱休んだら学校復活だ。
あれから夏目もへんなちょっかいを出してこないし、明人さんには少し叱られた。
樹さんにも……
素直に怖かった。
そしてちなみに、凪に送ったメールには『待ってるよ』とだけ返信が来ていた。
ガチャッ
「陽葵、スーツに着替えろ。
今夜は輝が帰ってくる」
夏目か……
驚かせないでよ…
「…わかった」
私の返事を確認すると夏目は慌ただしく部屋を出て行った。
にしても輝が帰ってくるのか……
私はクローゼットから黒いスーツを出すとそれに着替えた。
輝…仕事終わったってことかな?
すると、ピタリと外の物音がしなくなった。
……帰ってきたか。
「おかえりなさい!若頭!!」
元気のいい声が私の部屋にまで聞こえる。


