「ほれ、あーん」

「…自分で食べれるからスプーンを貸してほしい」

「いーじゃん。たまには
ほら、あーん」

「……はぁ」


食事の時にはこれだ。

夏目が私につきっきり。

ご飯くらい一人で食べれるし……

スプーンだって持てる。
というか打撲したのは腕であって指はちゃんと動く。


「なに?猫舌だっけ?」

冷ましてやろうか?と夏目は手にあるスプーンに乗るスープを軽くあげた。

「……いい」


これは何を言っても聞かないなと思い私はそのスプーンに口をつけた。


「あっ……つ」


「だから言ったのに」


まぁ冷ましてなんてやらんけどな。と意地悪く言う夏目。

………頼むから自分で食べさせて。