「頭……」
「え……そんな」
「頭ぁ……」
そこには、銃口を向けた明人さんに、その1歩後ろに立つ樹さん。
銃口の先には血まみれになり倒れている、御門組の組長がいた。
おじさんをはじめ、御門組の奴らは彼らの組長に駆け寄った。
「そんな……」
「俺らはただ、頭に目を覚まして欲しかっただけなのに…」
「もっとはやく、言っていれば……!」
口々に言う。
「……その男は、もう手遅れだ。
お前達の言葉は届かなかっただろう」
それをみて明人さんが言う。
「うぅ……」
「そんな人でも、俺らの……っ!」
「この野郎っ……」
「オルァっ!!」
御門組の奴らはそう言って明人さんに殴りかかろうとしたが、
「やめろ!!!!」
おじさんの声で止まった。
「確かに、頭はこいつの言う通り手遅れだったかもしれない。
………そして、その頭を止めてくれたのは紛れもなくこの人だ。
たとえ、俺らの気持ちが大きくたって、届かなかったら意味がねぇんだよ……
やめろ…………」
おじさん………
「……意味が無いことはないと思うよ」
私は気づいたら、そう言っていた。
視線が私に向くのを感じる。
「たとえ気持ちが一方通行でも、その気持ちが大事なんだよ。
その気持ちがあれば、あなたたちは大丈夫だよ。
もう1回、何度でもやり直してみようよ」
私はそう言って、「ね?」と言うと、御門組の人たちはみんな、目に涙を溜めた。
私がいえたことじゃないけど……
「うわぁぁ」
「うっ……」
嗚呼、綺麗だ。