「樹に荷物を渡してある。
夏目にはさっき言ったばかりだ。
車を表に回すように言っておいた。

それと、」



それと……?


「今日から、一人暮らしだ。
学校の近くに部屋を借りておいた」



「…わかりました」



明人さんはそう言って樹さんに私に荷物を渡せと指示をした。




「明人さん、ありがとうございます。」




私は立ち上がると、明人さんに頭を下げてそう言った。



「ああ。遅刻するなよ」



どこか心配そうな顔で明人さんが言った。




「陽葵、行こう」


「はい」


そして樹さんに連れられ、私は再び自室へと戻った。