私は扉に近づくと、そっと中を覗いた。
「おい、おまえ自分が何やってるのかわかってんのか?」
明人さん……
「あぁん?何って…お前の仲間をボコボコにしたことかぁ?」
そう言って気色悪く笑う御門組の組長。
………狂ってるな。
「ふざけんなよ?」
久しぶりに見たな、明人さんのあの顔。
「その上お前、自分の仲間に何させてんのかわかってるのか?」
きっとクスリの密輸。
「あぁ?あいつらは好んでやってるんだ。
この、俺のためになぁ!」
………狂ってる。
好き好んでやるわけがあるか。
そいつらだってもとは、普通の心をもった奴らなんだぞ?
「話にならん。お前をここで、殺す」
"殺す"
その言葉が部屋に響いてる。
明人さんがそう言って銃口を御門組の組長に向けた。
そのとき……
「はぁっ…おい、陽葵って言ったか……」
「おじさん……?」
私がさっき倒したはずのスキンヘッドのおじさんがボロボロの姿で来た。
「おいお前、お嬢から離れろ!」
「お嬢、逃げて!」
下っ端が口々にいう。
「大丈夫。みんな手を出さないで」
私はそんなみんなを抑えるとおじさんに駆け寄った。
「……頭、に……はぁ…目を……覚まして……ぐっ…ほしくて……」
時折血を吐きながら言う。
「うん」
「話を……がはぁっ……」
「若頭っ」
すると、バタバタと後から御門組の下っ端だろうか?
がたくさん来た。
「頭に……言おう。
俺らの…………思ってること」
おじさん……若頭だったのか。
「若頭ぁっ……」
「はいっ…!!」
するとほかの奴らも頭を縦に振る。
……みんな、同じ気持ちだったんだ。
おじさん、よかったね。
「……どいてくれ」
その様子を見たおじさんはそう言って私たちを扉の前から退かすと、扉を開けた。
けど……きっと………
パァァァンッッ!!!!!!
もう遅い。