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タンタンタンタンッ
「あっ、」
「お嬢」
「ご無事で!」
奥の、御門組の頭の部屋と思われる扉の前にみんないた。
さっきの、私と一緒にいた子も無事だ。
「何があったの?」
走って乱れてしまった息を整えながら言う。
「……中に頭と樹さんが」
明人さんに樹さんか……
「御門組の頭とやり合ってます」
なるほど……
「陽葵っ」
すると後ろから肩を掴まれる。
「夏目っ」
無事だったか。
「大丈夫か?」
「うん、夏目こそ。手、赤いよ」
私は肩に置かれた夏目の手を見る。
「あぁ。大丈夫だ」
夏目はそう言って扉に目をやる。
私もつられて見る。
……扉が分厚いのか、中の様子がわからない。


