私と同様、ほかの人にも樹さんからの指示が届いたようで動き始めた。
そしてそれを確認した樹さんは御門組の屋敷の前にいた数人の見張りを殴り倒すと、
ガシャーン!!!!
御門組の屋敷のドアを蹴って開けた。
「天霧組でーす」
そして黒い笑顔を放って言った。
……怖。
バタバタバタ……
ガラガラガッシャーン!!
「おいっ!お前ら御門組にこんなことしてタダで済むと思うなよ!!」
中から物音と人の叫び声。
外にいた私たちは、一気にそこへ入っていった。
……御門組、人が集まってるな。
今日は集まりでもあったのか。
バキッ
ゴスッ
鈍い音があちらこちらでする。
血の匂いがもうする……
私はその匂いに眉をひそめると、前から向かってきた男に拳を当てた。
ああ、こんな感覚だったな。
さっきまで隣にいた夏目はもういない。
完全に1人だ。
……出遅れてしまった。
私は今の奴を倒すと、もうそこら中に倒れている奴らを上手く避けて奥へ行った。
みんなはやいな……
私も足でまといにならないようにしなくちゃ。


