コンコン、


「明人さん。陽葵来ました」

「ああ。入りなさい」


明人さんのその声で樹さんは扉を開けてくれた。


「ありがとうございます。
失礼します」


そして中に入ると、明人さんは嬉しそうな顔をした。

「制服、似合ってるよ」


「ありがとうございます」

そして座るよう言われたので、座った。

樹さんはいつものように明人さんの後ろに立つ。

「学校は楽しいか?」

「はい、楽しいです」

「友達は出来たのか?」

「はい、できました」


あれ、この会話さっきも…

なんだかおかしくて少し笑ってしまった。


「よかった」

明人さんは笑ってそう言うと、顔つきが変わった。

「陽葵、事情は聞いてるか?」

……"頭"の顔だ。

「組潰しと言うことは聞いています」

「そうか。じゃあ詳しく話す。
樹」

「はい」

明人さんは樹さんを呼ぶと樹さんは1台のノートパソコンを私の前に置いて、画面を見せてくれた。

これは……御門-Mikado-組の組長に、御門組の場所?


「御門組はクスリの密輸をしていて以前から目をつけていたんだが、先日うちの下っ端が何者かに病院送りにされたと聞いてね。
調べていったら御門組だった。
それで仇討ちに御門組を潰す。
下っ端も不意ではあったがやられてしまっことに反省しているし。
それで丁度今、輝が別の仕事でココにいないんだ。
だから陽葵に参加してほしい」


……なるほどね。

仇討ちとは明人さんらしい。

輝の代理と聞いて納得した。


「わかりました」

「陽葵には久しぶりに頼むことになるからな。
腕鳴らしなら下っ端に頼む」

「はい」