「おかえりなさい、お嬢に夏目さん」
「ただいま」
「おー」
本家につくと、丁度みんなが集まってくる時間帯というかみんな起きてるので声をかけてくれた。
……慣れないな、やっぱり。
私に頭下げなくていいのに。
「陽葵先行っとけ。」
「わかった」
「お嬢、頭がお待ちです」
「…ありがとう」
1人の下っ端の人の言葉にお礼を言って屋敷に入るとそのまま明人さんの部屋に向かう。
あ……制服着替えた方がいいのかな?
普通にこのまま来ちゃった。
少し廊下で立ち止まっていると、樹さんが前から来た。
「あ……」
「ん?あぁ。久しぶり、陽葵」
「お久しぶりです」
樹さんは私の前で足を止めた。
「どうしたの?こんな所で突っ立って。明人さん待ってるよ」
「いや、制服着替えて行ったほうがいいのかなって…」
自分の制服を見下ろす。
「ああ。そのままで大丈夫だよ。
それに明人さんにまだ、制服姿見せてないでしょ」
樹さんはそう言って一緒に明人さんのところまで行ってくれた。
もしかして、私のこと迎えに来てくれたのかな?


