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「で、陽葵と友達になった」


お昼休み。


工藤さんに誘われて屋上で食べることになった。

けれど屋上に行く、ということは必然的に彼の仲間もいるわけで。


工藤さんはそう言って屋上のフェンスに寄りかかった。


それに私もついていく。



「はぁ!?凪それどういう事?」


橘さんが声を張り上げる。


「……え、なにがどうなって?」


来栖さんが困惑した様子でいう。


「…………」


桐月さんは黙って私たちを見る。


「どういう事って……ねぇ?」


工藤さんはそう言って手にしているパンの袋を開けながら私を見る。


それにこくんと頷く私。


「あの、私が友達欲しいってお願い……したんです…」


そしてそう言った。


「え?なんだそーゆことか」


「ふぅん」


「……」



またそれにこくんと頷く私。




「じゃあ俺らともなろ?」



「へ?」



橘さんの言葉に首を傾げる。



「友達は多い方が楽しいよ」


そんな私に橘さんは、笑って言った。


………初めて見た、橘さんの本当の笑顔。

なんだ、全然いい。


「……いいんですか?」


来栖さんと桐月さんを見る。


「……うん、いーんじゃない?友達」


「……ああ」


2人とも首を縦に振ってくれた。



なんだか、感情が湧き上がるのを感じて工藤さんを見る。


工藤さんは得意げに笑って見せた。


それに私も笑ってみんなを見る。



「……ありがとう、ございます…っ」



今日は、私。


よく笑っていると思う。