そこには、黒い革のソファに座っているもの1人。

その後ろに立っているもの1人。



「おはよう、朝なのに悪かったな」



本当に思っているのだろうか、と疑いたくなる言い方だが、わかる。



この人は不器用なだけだ。



「おはようございます。いいえ、大丈夫です」



「そうか。
まぁ座りなさい」



「失礼します」




私は彼……ここ、天霧組の頭である天霧 明人 -Amagiri Akito-さんに言われた通り、明人さんが座っているソファのテーブルを挟んで目の前のソファに座った。