ヒカリのように









すると15分くらいでついた。



「近いね」


「ああ。本家だと遠いからな」



確かに、朝来た時はもっと時間かかった。


「行くぞ。部屋まで案内」


「ん」



私と夏目は車を降りると、大きなマンションへ入っていった。


「何階?」

「最上階」

「遠」

「1番上だからな」


夏目はそう言ってにっと口角をあげた。



この人は、上が好きだ。



いやきっと、みんな好きだ。


エレベーターに乗り込み最上階のボタンを押すと暫くして止まった。



「荷物は陽葵が学校行ってる間に移動させといた」


「ありがとう」



「バイクは移動してないから、この距離じゃ歩きで行ける」


「うん」



「あと、いつでも本家来ていいんだからな。」



「わかった、ありがとう」




夏目は連絡事項を私にすべて伝えると私の頭をぐしゃぐしゃになるまで撫でた。



「陽葵はずっと俺がいてやったからな…
心配だ」


「大丈夫よ、ありがと」



私はそんな夏目に笑いかけると夏目は私から手を離した。



夏目は私が来た時から、ずっと私の世話をやいてくれていたからな……。




まぁそれが仕事だからなのだろうけど。


私も少し寂しいよ。