「よかった」
私もそう呟いて口角をあげた。
「辛いとこない?」
「うん、大丈夫」
みんなが私を囲むように来る。
さっき検査の時、先生が私についていた機械を何個か外してくれたから少し身軽だ。
「……みんな、ごめんね」
私はみんなの顔を見渡していう。
「……私……」
「ストップ!!」
私が話そうとすると凪が止めた。
?
「陽葵、お礼とか、謝るとか、そういうのいらない!!
俺ら言ったでしょ?"守る"って」
「もう謝っちゃったけどね」
凪の言葉に佑がつっこむ。
「まあ、刺されちゃったから守りきれなかったんだけど……謝るのはこっちの方だよね」
陸まで……。
「……ううん。言わせて。
みんなが来てくれて嬉しかった。
ありがとう、巻き込んでごめんなさい。
こうやってみんなの顔見れてるだけで私は嬉しいよ」
「陽葵……」
嗚呼、生きていて嬉しいなんて。
殺される時はなんとも思わなかったのに。
いざみんなの顔をみると欲が勝つ。
「生きたい、なんて思うなんてな。」
ぼそりと呟く。
ガラガラ、
するとまたドアが開いた。
「陽葵っ!!」
一番に飛び出したのは夏目。
夏目は一目散に私の所へ来ると私を抱きしめた。
「夏目……」
「陽葵……っ」
夏目の背中に手を回す。
泣かないでよ。
「よかった……」
夏目は何度もそう言って私を抱きしめる。
………苦しい。
でも、嬉しい。
「夏目、離してあげて。
陽菜死んじゃう」
すると樹さんの声がした。
「ああ、……悪い」
夏目は私から手を離すと頭を撫でてくれた。
「夏目、ありがとう」
私がそう言うと照れくさそうにそっぽをむく夏目。
「ごめんね、陽炎のみなさん」
そして樹さんがみんなに謝る。
そんな樹さんの後ろには明人さんに輝に暁さん。
……あれ、輝確か仕事。
「輝……仕事は?」
「………」
黙ってちゃわからないよ。
「……陽葵のことを聞いて一目散に帰ってきたよ。」
黙り込む輝に変わって暁さんが言う。
「………家族が刺されたって聞いたらそりゃ心配すんだろ」
"家族"
「………ありがとう、輝」
そんな輝がなんだか痒くて私も照れ隠しで少し笑った。
「………え、輝……さん?」
その時、昴が声を出す。
「……昴か。久しぶりだな」
「お久しぶりです……わかってはいたけど…」
本当だったんですね。
と昴は驚いて言う。
輝もなんだか嬉しそう。
よかった、2人が会えて。
「さて、陽葵。」
すると空気を切り替えるように明人さんが口を開く。
「明人さん……」
「……よかったよ、目覚めてくれて。本当に。」
涙ぐんでいる明人さん。
……初めて見た。
「話は全部聞いたよ」
そしてそう言うと昴たちの方を見る。
「陽葵を救ってくれてありがとう」
明人さんが、頭をさげた。
「や、やめてください。
俺らは当たり前のことをしただけですから」
昴があわてて明人さんの肩を持つ。
「当たり前、か……。
俺はそれが出来なかったよ」
だけど明人さんの顔は曇ったまま。
違うよ、違う、明人さん。
「明人さん、私に当たり前をくれたのは明人さんです」
そう、昴のいう"当たり前"が"当たり前"なら、それを"当たり前"にしてくれたのは紛れもなく明人さん。
「陽葵………」
明人さんの瞳から涙が1粒零れた。
涙を流す、明人さん。
なんだか今日は、みんな泣くんだなぁ。
文字だけでいったら他人事のようだが、とても嬉しい。


