「陽葵」
「陽葵」
「陽葵」
みんな、うるさいくらいに私の名前を呼ぶんだ。
こんなに呼ばれたの、久しぶりだよ。
だからたまに、思い出すんだ。
「陽葵、おいで」
「おとーさん!!
おかーさん!!」
「ぎゅ~」
そう言ってお母さんとお父さんは私をいつも抱きしめた。
「陽葵、お前はかわいいね」
「えへへっ」
「宝物だよ」
「だいすき!!」
「ああ、俺達もだ」
お父さん、お母さん。
どこ?
どこどこどこ?
私の、お父さんとお母さん。
「ほら、寝るわよ。」
みんなで並んでお布団ひいて寝て。
「いただきます」
一緒にご飯を食べて。
そんな当たり前のことが恋しくて仕方が無い。


