「初めまして、俺と家族にならないか?」
家族?
優しい目をした人だな。
「妻はもうだいぶ前に他界しているんだけどね」
そう、いないの。
「陽葵ちゃん、君と家族になりたい」
家族って、素敵なもの?
忘れちゃったよ。
でも、この人の所になら。
この人の言う家族というものに少し興味がある。
「いいわよ、おじちゃん」
「ありがとう。音羽陽葵ちゃん。
よろしくね」
最後に私の苗字を聞いたのはこの時だった。
「陽葵ちゃんには、兄が一人できるよ。」
「あに?」
「そう、兄妹」
きょう、だい………
「それと、俺の家にはたくさん人がいる。
みんないい人だから安心して。
だれも、陽葵ちゃんを傷つける人はいない」
傷つける……
私は誰かに傷つけられたの?


