中山先生のHR中、少し周りを見渡してみると、やっぱりカラフルな色合いが広がっている。
なんでここは、こんなにカラフルなんだろう。
学校って、こういう所?
大学も自由だったけど、そことはまたちがう自由さがある。
すると隣の人と目が合った。
……この人は黒髪だ。
私はその男の子に軽く会釈すると前を向いた。
「じゃあHR終わり。落ち着いて過ごしましょう」
すると丁度、HRが終わったらしく中山先生が教室を出て行った。
中山先生が出て行ってからしばらくすると、先程の静けさが嘘のようにどっと教室が五月蝿くなった。
……え?
「あーまじ朝から怖ー」
「あの笑顔やめてほしいわ」
「あいつの前だと何もできねぇよな」
「ねぇトイレ行こーっ」
「行く行く~」
いろんな会話が一気に飛び交った。
す、すごいな。
「ねぇあんた」
私が周りに感心してると、隣から声が降ってきた。
まぁ私じゃないだろうけど。
「あんただよ、転校生」
あ、私………?
「はい」
私は隣を見た。
「ここ、転校生とか結構いるから自分から行かないと誰も来ないよ」
すると隣の黒髪さんはそう言って机にうつ伏せてしまった。


