そして、12歳のとき。
友達と遊んでいたら日が暮れてしまい真っ暗になってしまった時だ。
この公園で遊んでいた時だよ。
友達も帰り、俺も慌てて帰ろうと荷物を持った。
そしてふと空を見上げてみると、綺麗な夜空があった。
何だか不思議な感覚に陥って、しばらくそこに立ち尽くしてしまった。
その時、俺に声をかけてきた奴がいる。
「帰らないの?」
14歳の、佑だった。
「…帰るよ。今、帰ろうとしてたとこだよ」
学ランを着ている佑は、とても大人びて見えた。
俺もあと一年後には、こういう風になりたいと思ったのを覚えてる。
「ガキがあんまり夜にうろちょろしない方がいいよ?」
そして佑は笑いながらそう言った。
ガキ……ね。
「別に、俺より可愛げのある奴らがいるから大丈夫だよ」
ボソリと呟いた。
家に帰ってからふたりの面倒をみて、親の帰りを待って……
帰ってからやる事を思い浮かべるだけで体は重くなった。
「明日……」
そんな俺を見て佑は言った。
「明日、俺と遊ぼう。
楽しいとこ連れてってあげる。約束ね」
じゃあまた明日。
佑は俺に背を向けると歩いていってしまった。