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「じゃあ、ありがとう。
また明日ね」
陸のバイクから降りてみんなとばいばいすると、マンションまで行きいつかのように止まっている黒塗りの車へ乗り込んだ。
「久しぶりだな」
「うん、久しぶり」
久しぶりの夏目。
いつぶり?
………怪我の時か、最後に会ったの。
「輝、また1年くらい?」
車が動き出し話しかける。
「いや、今回は短期。
すぐ戻ってくるよ」
………なら私、見送らなくても。
と思ったが。
きっと夏目なりの気遣いなのだろう。
前輝が行った時は、私風邪ひいててちゃんと会ってない。
……別に、大丈夫なのに。
「ついたぞ」
「ん」
いつものようにみんなに迎えられながら屋敷へ入ると、案の定輝が出かけるからバタバタしている。
私は自室へ行き荷物を置くと、すぐに夏目が来た。