「はい。陽葵です」
「ちっさくて見えなかったってよ」
爽やかに紹介してくれる樹さんと違って、夏目が感じ悪く私に言う。
「2人がデカイんだよ…」
にしても、この人が理事長か。
若いなぁ。
綺麗な黒髪を少し遊ばせている。
でも少し強面だ。
「こんにちは」
じっと見ていると、目が合ってしまった。
「こ、こんにちは」
「初めまして。俺は榊-Sakaki-。
この学校の理事長、よろしくね。
陽葵ちゃん」
すると強面な見た目とは裏腹に、優しい口調で言った。
「あ…天霧陽葵です。よろしくお願いします」
私も慌てて名前を言うとぺこりと頭を下げた。


