陽炎の倉庫へつくと、陸の言った通りみんな俺を歓迎してくれて、仲良くしてくれた。
その中でも、陸と、陸と一緒にいた昴は特別仲良くなった。
年が近いというのも一つの理由だったのかもね。
昴は俺と同じ13歳、陸は一つ下の12歳だった。
「みんな、ここに住んでるの?」
そして二人に聞くと、昴は住んでいるが陸は家から通っているという。
「………俺、家に帰りたくない」
そしてそう言うと、当時の総長がここへ来て言った。
「………ここへいればいい。」
「え?」
「ここへいればいい。
だけど約束しろ。必ずいつか、帰らなくちゃ行けない時が来る。
その時には、素直に帰るんだ」
きっと、その時は意外と何でもない時にくる。
って。
「………親がいるなら、帰れるところがあるなら。
帰った方がいい」
昴はそうボソリと言った。
「………俺も、そう思うよ。
それが俺は早かっただけ」
陸はそう言って困ったように、幸せそうに笑った。
"その時"


