そしてなんとか"友達"になり、守ることを認めてくれた陽葵ちゃん。

陽葵ちゃんと一緒にいると、みんな自然と笑顔になれる。


昴も、だいぶ物腰が柔らかくなったと思う。


人見知りの凪も、だいぶ懐いていて。


陸だって陽葵ちゃんのこと気にかけてて、新しい1面を知れた。



やっぱり、陽葵ちゃんはみんなになくてはならない存在になっている。



そして俺は今日、そんな陽葵ちゃんと二人きりになった。




「あれ、みんないないの?」






ある日のお昼休み。


いつも凪と屋上に来る陽葵ちゃんはひとりだ。



「うん。みんな今日午後から来るって」


「そっか」



みんなは今日、ちょっと陽炎の事で用事があり午前中は来れない。


……本当は、凪と陸より副総長の俺が行かなきゃ行けないとこだけど。

陽葵ちゃんを一人にするわけには行かないからね。

逆に副総長である俺が残った。



「さ、食べよう」

「うん」


いつもコンビニでご飯をかってくる陽葵ちゃんのご飯は少ない。


「そんなんだから細いんだよー、ダメだよ。
ちゃんと食べなきゃ」


「食べてるってば」


陽葵ちゃんの量、俺らにしたらおやつ程度だからね?


でもその量のご飯を美味しそうに食べている陽葵ちゃんの横顔を見ているとなんだかこちらも幸せな気持ちになる。





そしてふと、思い出した。































毎日気を張っていた、時の俺を。