ブクブク……
あ。お湯沸いた。
「昴、お湯沸い………」
「俺は」
……昴?
私の言葉なんてどうでもいいように言う。
「…………俺は………
何でもない。忘れろ」
すると昴は急に言葉をやめて、ソファに戻っていった。
……………
「………昴。何?」
きっと、言いたかったことがあるはず。
それを我慢しないでほしい。
私でいいならいくらでも聞く。
と言う思いを視線に込めて昴を見る。
昴は目を伏せた。
私は熱々のお湯でコーヒーを入れると、それを昴の前に置いた。
そして昴に一番近いソファに座ると、もう1度昴をしっかりと見た。
「……受け止めるよ、どんな昴でも」
小さい子供を諭すように言う。
……小さい子供に関わったことなんてないが。
今の昴にはこれくらいが丁度いい。


