あっという間にお昼休みはやってきて。

「へぇ、家の用事」

「……なによ」

陸が怪しい、と言うように私を見る。

家の用事って、あながち間違ってはないんだからね。
家の用事でできた怪我のせいなんだから。

「にしても、1ヶ月も大変だったね」

そのタイミングで佑が言う。

「まぁ…」

大変、と言うか色々あったな。

輝が帰ってきたり、
…そういえば、御門組のあの若頭のおじさんが1度うちに来た。
ちゃんと謝罪とお礼がしたいって。
私はそんなことされる立場じゃないからいいって言ったんだけどどうしてもって言うから家にあがらせたんだ。

……あの人、いい人だったな。

警察から出た後はちゃんと、家族を大事にしてほしい。


「もう陽葵ちゃんいなくて退屈だったんだよ」

がぶりとパンにかぶりつく佑。

「なにそれ…もともと私がいなかった生活だったでしょ」

ちょっとおかしくて…いや、本音を言えば嬉しくて。にやけた。


「そうは言ってももう、陽葵ちゃんがいる生活が当たり前になってたからね」


前の生活忘れちゃった。なんて可愛らしく言うから。


「…私も、退屈だったよ」

と言っておいた。


「……………」

なんだろう、視線を感じる。

「陽葵ぃー、膝枕して」

そのとき凪が座っていた私の膝に頭を乗っけて横になった。

「わっ、……」

「眠いから」

凪がそう言って目を閉じた瞬間、背後からとてつもないオーラが。

「うわっ!無理!寝れねぇ」

そのオーラに気づいた凪が飛び起きた。

誰…

と言っても、私の背後には一人しかいない。


「……昴。」


眉間のシワ、すごいよ。