「……人間はこんなにも腐った生き物なのかと呆れたわ。この日から私は3人と縁を切ったの。クズ人間の友達なんて作る必要はない、パパの権力で得た不確実な地位なんていらない。そう思ってこの高校に来たの。……………これでいい?」


「………るいちゃん」




悲しそうな顔をしている伊藤風花と瀬戸京太郎。そんな顔をさせたくてこの話をしたわけじゃないのに………



「るいちゃん!!!」



ガシッと私の肩をつかんだ伊藤風花はいきなり嬉しそうにニコニコし始めた。
なに、よ?


「じゃあ、じゃあ、私が友達第一号ってことだよね!!!やったーっ!」

「な!それ、俺も言おうと思ってたんだけど!風花ちゃんはだめ!俺が友達第一号!!」

「なにそれ!知らないし!!私が先にるいちゃんに友達になろって言ってたんだから私が友達第一号なのー!!!」

「……風花ちゃん?」

「なぁに、京太郎くん?」


バチバチと睨み合う伊藤風花と瀬戸京太郎。
ふふふ。

「ぷははっ!アハハハハッ!もう、あなたたちやめて……ぷはっ!お腹痛い……アハハッ」


伊藤風花と瀬戸京太郎が繰り広げるバトルがおもしろくて楽しくて、あぁ、私は間違っていたのかもしれない。
人を勝手に決めつけてはいけないのね。

「るいちゃん………」

「笑ってた方が」

「「絶対かわいい!!!」」

「へ?」

声をそろえる伊藤風花と瀬戸京太郎に驚く私。

「笑ってた方ぜーったいイイって!俺、そんなふうに笑われたら惚れちまうよ〜」

「ほんとそれ!るいちゃんの笑った顔とってもかわいいよ!」


なによそれ。
ふふふっ
あなたたちって本当にバカね。
でもそんなあなたたちが大好きになってしまったみたい。


「それなら、るいのことを毎日笑わせなさい?」

「それなら俺に任せて!!」

「京太郎くんじゃなくて私に任せて!!!だって友達第一号だもん!!!」


あ、それを、言ったら………



バチバチバチッ



ほら、やっぱり。

睨み合うふたりにまた笑いがこみあげる。


「あなたたちふたりを私の友達第一号にしてあげるわ♪毎日笑わせなさい!」


「ふたりとも友達第一号なのはなんか気に入らないけど、まぁ、るいちゃんが笑ってくれるならいっか!私のことは風花って呼んでね!」


「俺の友達も後で紹介するよ!要っていうんだけど、アイツを友達第二号にしよう!!俺のことは京太郎って呼んでよ♪」


「本当にあなたたちは……。
ふふふっ。いいわ。そろそろ教室に戻りましょう。迎えに来てくれてありがとう。……風花、京太郎」


「「おー!!!」」