スマイルの話を聞き終わり私は一瞬焦ったが、ゴールデンレトリバーを助けることもでき、こうしてスマイルにもまた会えた。
もうこのままスマイルとこの綺麗な景色をずっと見ていてもいいかもしれない。
そう思い、ゆっくり息を吐いた。

「ねぇ、スマイル。私はもうあなたとは離れない。私と一緒にいようよ、せっかくまた会えたんだから。」

スマイルにそう言ってみた。
スマイルは少し嬉しそうな顔をして尻尾を振った。
しかし、帰ってきた言葉は思いもよらないものだった。

「だめだよ。ご主人様はまだ死んじゃだめ。」

「なんで？そういう運命だったんだよ！もうスマイルと離れるなんて私、やだよ！」

つい声を荒げてしまった。
いつの間にか止まっていた涙もまた流れ出した。
そんな私をみてスマイルはまた少し悲しそうな顔をした。

「ご主人様。どうか僕のお願いを叶えてほしい。
その為に生きて帰ってほしいんだ。
僕はまたこの場所で本当にご主人様が来るべき時を待ってるから。必ずまた会えるから。」

私はスマイルの声が鮮明に聞こえないくらいたくさん泣いていた。
でも、スマイルの真っ直ぐな目をみて私は決意した。
袖で涙を拭い、スマイルの頭を撫でた。

「わかった。私、スマイルとの約束叶えるよ。お願いってなに？」